マレーシアの個人事業主・フリーランスと直接契約すると、雇用法上の推定規定への備えも、MyInvoisの処理も、LHDNからの照会への対応も貴社側の課題として残ります。Contractor of Record(COR:業務委託契約の名義・支払代行)では、Aniday Sdn Bhdがその契約当事者になります。雇用法の判定基準に基づく労働者性の審査、法令に準拠した業務委託契約の締結、MyInvoisと税務関連書類の処理、MYRまたはUSDでの支払いまでをAnidayが引き受け、業務そのものは従来どおり貴社のチームが直接進めていただけます。マレーシア法人の設立も、偽装請負のリスクを貴社の帳簿に抱えることも必要ありません。マレーシアでフリーランスや個人事業主を起用したい日系企業の人事・法務ご担当者様には、日本語でご対応します。
その方が個人事業主にあたるのか従業員にあたるのか判断がつかない場合は、フルタイム雇用向けのマレーシア雇用代行(EOR)との違いをご確認ください。マレーシアの労務全般はマレーシア進出ガイドにまとめています。
マレーシア法は、1955年雇用法第2条に定義される雇用契約(contract of service)と、個人事業主が結ぶ業務委託契約(contract for service)を明確に区別しています。Contractor of Recordでは、この業務委託契約の当事者になるのは貴社ではなく、現地法人のAniday Sdn Bhdです。裁判所が用いる指揮命令テストと統合テストに沿った審査、内国歳入庁(LHDN)の調査にも耐える書類の整備、労働者性についての責任は、いずれもAniday側で引き受けます。
向いているのは、独立性が実態として成り立つ業務です。プロジェクト単位の専門家、稼働日を限ったアドバイザー、フラクショナル(部分稼働)の役員職、自ら稼働時間を決めて他社にもサービスを提供するコンサルタントなどが該当します。逆に、フルタイムで指揮監督を受けて恒常的に同じ業務を担う役割は雇用にあたり、この場合はマレーシア雇用代行(EOR)をご案内します。どちらにあたるかは、ご契約の前に必ずお伝えします。
なお、日本側の義務は貴社に残ります。国内の個人事業主・フリーランスへ発注する場合、2024年11月1日施行のフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)により、取引条件の書面等による明示と、成果物を受領した日から60日以内の報酬支払いが求められます。日本国内から報酬を支払う際は原則10.21%の源泉徴収が必要で、インボイス制度のもとでは適格請求書の有無が仕入税額控除に影響します。マレーシア法上の手続きはAniday Sdn Bhdが担いますが、これらは国内側の義務として別に整理しておく必要があります。
契約書の作成から毎月の支払い、税務書類の保管まで、Aniday Sdn Bhdが名義人として引き受ける範囲です。
労働裁判所(Industrial Court)の判断と第101C条の推定規定が拠り所とするのは、業務の方法や時間に対する指揮命令の有無、貴社の事業への組み込みの度合い、業務用具の提供者、経済的リスクの負担者です。契約前にこれらを確認し、従業員にあたるという結論になった場合は、その旨をそのままお伝えして雇用代行(EOR)に切り替えます。
第101C条は、書面の契約がなく業務が指揮命令下にある場合に雇用を推定します。2025年ギグワーカー法も、サービス契約の条件を書面で定めることを求めています。そのため業務範囲、成果物、報酬、支払方法、秘密保持、非専属性、知的財産条項は、すべて書面で定めます。
貴社へお送りする請求書は一通にまとめます。個人事業主への支払いは、合意したサイクルでDuitNowまたは現地の銀行振込により行います。マレーシアではサービス対価の支払いに規制がなく、居住者は海外から受け取った外貨を保有できるため、USD建ての契約もそのまま決済できます。
居住者である個人事業主への支払いに源泉徴収はなく、本人がForm Bで自己申告します。Anidayは支払記録を保管し、規則で求められる場合はMyInvoisを通じてセルフビリング方式の電子インボイスを発行します。居住地に関する申告書を取得したうえで、非居住者に第109B条に基づき適用される10%の源泉徴収についても漏れなくお知らせします。
当社のCORで契約した個人事業主が後に従業員と認定された場合、EPFとSOCSOの未納分、雇用法に基づく請求、労働裁判所の裁定への対応は、貴社ではなくAnidayが負います。手数料はこの引き受けに対する対価です。
稼働がフルタイムに近づいたら、当社のマレーシアEORのもとで雇用契約に切り替えます。EPF、SOCSO、EIS、休暇、必要に応じてEmployment Passのスポンサーシップまで引き継ぎ、担当窓口もプラットフォームも変わりません。
マレーシアでの業務委託が適法に成立するかどうかを分ける論点をまとめました。数値は2026年9月時点の現行規則で、出典は表の下に記載しています。
| 論点 | マレーシアでの取扱い |
|---|---|
| 従業員か個人事業主か | 1955年雇用法が適用されるのは雇用契約(contract of service)で、個人事業主が働くのは業務委託契約(contract for service)のもとです。裁判所は指揮命令テストに加えて、統合性と経済的実態の要素を適用します。すなわち、業務の方法と時間を誰が決めるか、本人が事業の一部となっているか、業務用具を誰が提供するか、財務リスクを誰が負うか、他のクライアントにもサービスを提供しているか、といった点です。さらに2023年1月1日以降は第101C条により、書面の契約がなく、業務の方法や時間が管理されている、業務用具が提供されている、業務が事業に不可欠である、または定期的な支払いが収入の大半を占める場合に雇用が推定されます。2025年ギグワーカー法(法律第872号、2026年3月31日施行)は、ギグワーカーを雇用の枠外に置きつつ、そのサービス契約を規制しています。 |
| 業務委託の対象となる方 | 対象はマレーシア国民と永住権保持者です。外国籍の方はパスに記載された雇用主のためにしか働けないため、外国人の専門職はフリーランスとして活動できず、そのような役割には雇用主のもとでの就労パス(Employment Pass)が必要です。ギグワーカー法も同様に、ギグワーカーを国民または永住権保持者と定義しています。 |
| 所得課税 | 居住者である個人事業主は、事業所得をForm B(提出期限6月30日)で自己申告し、0%〜30%の累進税率が適用されます。LHDNから通知があった場合は、CP500による隔月の予定納税が生じます。居住者かどうかの判定は、通常は年間182日の滞在が基準です。非居住者には一律30%が課されます。 |
| 支払者の源泉徴収義務 | マレーシア居住者の個人事業主への支払いには、源泉徴収は不要です。非居住者への支払いについては、1967年所得税法第109B条に基づき技術・助言・管理業務の報酬に10%を、第107A条に基づく請負契約の支払いには13%を、支払者が源泉徴収します。租税条約による軽減の適用があります。 |
| 付加価値税 | マレーシアの付加価値税にあたるのはサービス税(SST)で、専門業務、コンサルティング、IT、管理業務のサービスには8%が適用されます。登録が義務付けられるのは12か月間の課税サービスがRM50万を超えた場合のみで、単独で活動する個人事業主の多くは基準額に達しません。海外の顧客へのサービス提供は、免除の条件を満たせば課税対象外となることがあります。 |
| 社会保険 | 個人事業主について、雇用主側のEPF、SOCSO、EISの拠出は発生しません。本人は、EPFのi-Saraan(年間RM1〜RM10万、政府が20%を上乗せ、年間上限RM500、生涯上限RM5,000)で任意に積み立てられるほか、PERKESOの自営業者社会保障制度(SKSPS)に年間RM157.20からのプランで加入できます。法律第872号のもとでは、SKSPSはギグワーカーに義務付けられ、プラットフォーム事業者が徴収します。 |
| 知的財産の帰属 | 1987年著作権法第26条第2項により、委託した成果物の著作権は当事者間に別段の合意がない限り委託者に帰属します。この地域の多くの国とは逆の原則です。それでもAnidayの契約書には明示的な譲渡とライセンスの条項を設け、著作権以外の知的財産、既存の素材、著作者人格権の不行使までカバーして、権利が貴社に移転するようにしています。 |
| 請求書・証憑 | LHDNのMyInvois電子インボイスが義務付けられているのは、年間売上高RM100万以上の事業者です。2026年1月1日以降、RM100万未満の事業者は免除され、最終段階の導入は撤回されました。基準額未満の個人事業主は通常の請求書を発行します。支払側の事業者が対象範囲にある場合は、その支払いについてセルフビリング方式の電子インボイスを発行します。 |
| 通貨と送金方法 | MYRはオフショアでは取引されません。一方でマレーシア中央銀行(Bank Negara)の外国為替政策通知はサービス対価の支払いを制限しておらず、居住者は海外から外貨を受け取り、マレーシアの銀行の外貨口座で保有できます。AnidayはDuitNowまたは銀行振込によりMYRで支払い、合意があればUSDでも支払います。 |
| 個人情報保護 | 2010年個人情報保護法(2024年改正、2025年に段階的施行)が適用されます。データ管理者と処理者の双方が直接の義務を負い、コミッショナーへの漏えい届出が義務化され、大量の処理には個人情報保護責任者の設置が必要となり、罰金の上限はRM100万に引き上げられました。Anidayが収集する個人事業主のデータについては、Anidayが管理者となります。 |
| 誤分類が認定された場合 | 従業員と再認定された場合、発注者は雇用主分・本人分双方のEPF未納分(雇用主分は12%〜13%)とその配当・延滞金、SOCSOとEISの未納分、休暇・残業代・解雇予告に関する雇用法上の請求、不当解雇に対する労働裁判所の裁定を負います。外国企業の場合は、個人事業主が常態として自社に代わり契約を締結していると、「従属代理人」による恒久的施設(PE)と認定されるリスクも加わります。 |
出典:1955年雇用法(第101C条を含む)および2025年ギグワーカー法は人的資源省 半島マレーシア労働局、個人所得税率・Form B・第109B条の源泉徴収・MyInvois電子インボイスのガイドラインはLHDN(内国歳入庁)、サービス税率とRM50万の基準額はマレーシア関税局(MySST)、i-SaraanはKWSP(EPF)、自営業者社会保障制度はPERKESO(SOCSO)、1987年著作権法はMyIPO(マレーシア知的財産公社)、個人情報保護法の改正は個人情報保護局。最終確認:2026年9月。
起用したい方が決まってからの流れは3ステップです。労働者性の審査と契約締結、書類の整備、そして毎月の請求と支払いまでをAnidayが引き受けます。
第101C条の判定と契約締結
業務範囲、稼働時間、指揮監督の有無、業務用具、専属性を雇用法の判定基準と第101C条の要素に照らし、CORで契約できる案件かどうかを見極めます。問題がなければ、成果物、報酬と支払方法、秘密保持、知的財産条項、データの取扱い、解約条件を定めた業務委託契約を、Aniday Sdn Bhdと個人事業主の間で締結します。
本人確認と書類の整備
本人確認と居住地、納税者番号、銀行口座情報、SSTと電子インボイスの登録状況を確認します。貴社の監査法人にそのまま提出できる形で一式を保管します。
請求・支払いと記録保管
個人事業主は貴社のチームと直接業務を進め、承認済みの請求書またはタイムシートは貴社宛ての請求書一通にまとめてお送りします。必要な場合はMyInvoisを通じてセルフビリング方式の電子インボイスを発行し、報酬は合意したサイクルでMYRまたはUSDにより支払います。支払記録と年次の集計は、LHDN向けと貴社向けの双方に保管します。
| Contractor of Record | 雇用代行(EOR) | 業務委託管理ツール | |
|---|---|---|---|
| 契約当事者 | Aniday Sdn Bhdが個人事業主と契約 | Aniday Sdn Bhdが本人を雇用 | 貴社が直接契約。ツールは書類と支払いの処理のみ |
| 想定される使い方 | プロジェクト業務、パートタイムの専門家、アドバイザー、フラクショナルの役員職 | フルタイムで指揮監督下にある継続的な役割、Employment Passが必要な外国人の採用 | すでに顧問弁護士や現地法人があり、労働者性のリスクを自社で引き受けられる場合 |
| 労働者性リスクの所在 | Anidayが審査し、責任もAnidayが負担 | なし(本人は従業員) | 貴社に残る |
| EPF・SOCSO・休暇・解雇予告 | 個人事業主には適用なし | 雇用主分のEPF、SOCSO、EIS、法定休暇、解雇予告に対応 | 適用なし。確認する者もいない |
| 雇用への移行 | 個人事業主からEORの従業員へ数日で移行 | — | 手作業 |
はい。外国企業がマレーシア居住者の個人事業主と直接契約すること自体は可能です。ただしその場合、労働者性の判断、知的財産の譲渡、記録の保管をすべて貴社が負うことになり、LHDNや労働局から照会があっても現地で対応する当事者がいません。AnidayのContractor of Recordでは、Aniday Sdn Bhdが契約当事者となるため、貴社がマレーシア法人を設立する必要はなく、法令遵守の責任は現地企業であるAnidayが担います。
マレーシアの税務上の居住者であれば不要です。本人が事業所得をForm Bで6月30日までにLHDNへ申告し、0%〜30%の居住者税率が適用されます。源泉徴収が必要になるのは非居住者への支払いのみで、第109B条に基づき技術・助言・管理業務の報酬に10%、第107A条に基づき請負契約の支払いに13%が適用され、租税条約がある場合はその定めに従います。Anidayは居住地に関する申告書を取得したうえで、初回の支払いから正しい取扱いを適用します。
同法によって個人事業主が従業員になることはありません。2026年3月31日に施行された同法は、ギグワーカーを、契約事業者とのサービス契約に基づき報酬を得るためにサービスを提供するマレーシア国民または永住権保持者と定義しています。契約条件、紛争解決、SKSPS拠出に関する規定が対象とするのは、プラットフォーム業務と、クリエイティブ、翻訳、ジャーナリズムなど法定の職種です。Anidayの業務委託契約には同法が求める報酬、支払方法、期間の条件があらかじめ含まれているため、対象となる契約でも貴社側で追加の書類は不要です。
マレーシアの原則は、この地域の多くの国より委託者に有利です。1987年著作権法第26条第2項により、委託した成果物の著作権は、契約に別段の定めがない限り委託者に帰属します。ただしこの原則が対象とするのは著作権のみです。そのためAnidayの業務委託契約では、すべての知的財産の貴社への明示的な譲渡、個人事業主が既に保有する素材に関するライセンス、著作者人格権の不行使を追加し、最初の成果物が納品される前に権利の帰属を確定させています。
通常は必要ありません。2026年1月1日以降、年間売上高RM100万未満の事業者はMyInvois電子インボイスの義務を免除されており、個人事業主のほぼ全員がこれに該当します。支払側の事業者が対象範囲にある場合は、代わりにセルフビリング方式の電子インボイスを発行することになり、その処理はAnidayが行います。8%のサービス税が適用されるのは、個人事業主の課税サービスが12か月間でRM50万を超えて関税局に登録した場合のみです。Anidayは各個人事業主のSSTと電子インボイスの登録状況を管理し、請求書が正しく発行されるようにしています。
当社のCORでは、契約当事者であるAnidayが負います。誤分類された働き手の発注者は、雇用主分・本人分双方のEPF未納分とその配当・延滞金、SOCSOとEISの未納分、休暇・残業代・解雇予告に関する雇用法上の請求を負い、契約終了時には不当解雇として労働裁判所への申立てを受けることになります。労働裁判所は、従業員と同様に勤務していた長期の「個人事業主」に対し、未払い賃金と補償の支払いを命じた例があります。そもそもこうした契約形態にならないよう、事前の労働者性審査を設計しています。
できません。Employment Passをはじめとする就労パスの保持者は、パスに記載された雇用主のためにしか働けず、ギグワーカー法もギグワーカーを国民または永住権保持者と定義しています。マレーシアのContractor of Recordの対象は、マレーシア国民と永住権保持者です。外国人の専門職については、当社のマレーシアEORのもとで就労パス(Employment Pass)を取得して雇用するのが法令に準拠した方法です。個人事業主の契約設定は通常2〜5営業日、パスが必要な場合はそれ以上かかります。
マレーシアでの人材活用と労務管理をAnidayにお任せいただいている企業の実例をご紹介します。