中国では、まずこの線引きを明確にする必要があります。労働関係(劳动关系)と労務関係(劳务关系)は適用される法律そのものが異なり、どちらに当たるかは契約書の表題ではなく、実態によって決まります。Contractor of Recordが使えるのは後者の場合だけです。使える場合には、Anidayの中国パートナー法人が契約当事者となり、源泉徴収を行い、証憑を保管します。相手方が向き合うのは、中国国内に何も持たない外国企業ではなく、許認可を備えた現地法人です。使えない場合には、署名の前にはっきりとお伝えします。実態が労働関係であるものは、条項の書きぶりでは是正できないからです。
どちらに当たるか判断がつかない場合、判定基準は下記にまとめています。結論が労働関係であれば中国での従業員雇用を、外国人材については中国就業許可ガイドをご覧ください。
中国の裁判所は、人力資源社会保障部の「労働関係の確立に関する通知」が定める三要件で判断します。すなわち、当事者双方が法的資格を備えていること、使用者の規程が労働者に適用され、労働者が使用者の指揮の下で報酬を得て労務を提供していること、そしてその労務が使用者の事業の構成部分であること。三つが同時に揃えば、書面の名称にかかわらず労働関係が成立します。
Contractor of Recordが対象とするのは、そうでない場合です。Anidayの中国パートナー法人が委託先と役務契約を締結し、役務報酬の源泉徴収義務を履行し、証憑を保管します。取引全体が許認可を備えた現地法人の下に収まる形です。業務が実態として独立していれば意味のある仕組みですが、そうでなければ何の意味もありません。ですから順序は、まず実態の判定、次に契約です。
まず実態の判定。そのうえで契約、源泉徴収、そして提示できる状態の証憑まで。
当該業務を人力資源社会保障部の三要件——法的資格、規程による管理と指揮の下での有償労務、事業の構成部分かどうか——に照らし、さらに北京市高級人民法院が2024年に示した「真の業務委託先」の指標と突き合わせます。三要件がすべて揃う場合には、労働関係である旨をはっきりお伝えします。
労務関係に適用されるのは民法典であり、通常の契約自由の原則に従います。労働契約法は適用されません。契約当事者はAnidayの中国パートナー法人です。業務範囲、成果物、報酬、秘密保持、非専属、そして権利を貴社に移転する知的財産条項を書面で定めます。
役務報酬(劳务报酬)は、20%の費用控除後、4,000元を超える部分に20%を暫定的に源泉徴収します。少額の支払いについては800元を控除した残額に20%です。年末には総合所得に合算して確定申告で精算されます。この処理を初回の支払いから適用します。
承認済みの成果物や請求は、貴社法人宛ての一通のAniday請求書に集約します。貴社法人の所在国は問いません。委託先へは中国側の法人が合意したサイクルで人民元により支払い、支払記録と納税証憑は当該案件とともに保管します。
認定されれば、書面による労働契約、最低賃金と法定の休息・休日、社会保険と住宅積立金、法定の年次有給・出産・傷病休暇、法定の解除手続と経済補償、さらに労災責任までが発生します。社会保険の未納分には、未納額の1〜3倍の制裁金と利息が科されます。
中国では、アジア他国のように法人なしで自由に雇用する方式は認められていません。合法的な選択肢は二つです。許認可を持つ機関を通じた労務派遣——総人数の10%以内、かつ臨時的・補助的・代替的な職位に限られます——か、貴社自身の中国法人か。労働関係を役務契約に見せかけるのではなく、適切な方をご案内します。
中国での業務委託が調査に耐えるかどうかを決める事項です。数値は2026年9月時点の現行規定で、出典は表の下に記載しています。
| 項目 | 中国のルール |
|---|---|
| 二つの関係 | 劳动关系は労働関係、劳务关系は委託者と独立した提供者との役務関係です。どちらが成立するかは書面の名称では決まらず、実態によって決まります。 |
| 判定基準 | 人力資源社会保障部の「労働関係の確立に関する通知」は三要件を定めています。(1)当事者双方が法的資格を備えていること、(2)使用者の規程が労働者に適用され、労働者が使用者の指揮の下で報酬を得て労務を提供していること、(3)その労務が使用者の事業の構成部分であること。三つが同時に揃えば労働関係が成立します。 |
| 真の業務委託先とは | 北京市高級人民法院が2024年に示した指針によれば、真に独立した業務委託先とは、自らの技能で役務を提供し、事業リスクを自ら負い、従属的な地位になく、委託者の管理・支配を受けない者を指します。 |
| 適用される法律 | 労働関係には労働法、労働契約法、社会保険法、労働組合法が適用されます。労務関係に適用されるのは民法典であり、通常の契約自由の原則によります。 |
| 委託先の個人所得税 | 役務報酬(劳务报酬)は、20%の費用控除後、4,000元を超える部分に20%を暫定的に源泉徴収します。少額の支払いについては800元を控除した残額に20%です。年末に総合所得へ合算して精算されます。 |
| 従業員の個人所得税 | 給与所得は累計方式による月次源泉徴収で、3%〜45%の超過累進税率が適用され、年間の基礎控除は60,000元です。 |
| 社会保険と住宅積立金 | 真の労務関係では発生しませんが、労働関係であれば避けられません。料率と算定基数は都市ごとに定められており、全国一律の数値は存在しません。上海の企業負担は30.7%〜34.4%、本人負担は15.5%〜17.5%。2026年6月までの算定基数の上限は37,302元、社会保険の下限は7,460元、住宅積立金の下限は2,690元です。北京の企業負担は31.5%〜40.2%で、算定基数は前年の月平均賃金をもとに市の上下限を設けて決定されます。 |
| 外国籍の従業員 | 外国籍の従業員も社会保険への加入が義務づけられます。養老保険と失業保険は、二国間社会保障協定が適用され、かつ適用証明書が提出されている場合に限り免除され得ますが、医療・労災・出産は原則として納付が必要です。住宅積立金の取扱いは都市によって異なります。 |
| 誤った場合の帰結 | 労働関係と認定されると、委託者側に、書面による労働契約、最低賃金と法定の休息・休日、社会保険と住宅積立金、法定の年次有給・出産・傷病休暇、法定の解除手続と経済補償、労災責任が発生します。社会保険の未納分には未納額の1〜3倍の制裁金と利息が科されます。 |
| 労働関係だった場合の選択肢 | 法人を設けない唯一の道は労務派遣(劳务派遣)です。労務派遣経営許可証を持つ機関を通じて行い、2013年3月1日施行の「労務派遣暫定規定」に従います。派遣労働者を配置できるのは臨時的(临时性、6か月以内)、補助的(辅助性)、代替的(替代性)な職位に限られ、派遣人数は総人数の10%を超えてはならず、派遣機関と労働者との労働契約は2年以上でなければなりません。駐在員事務所は直接雇用を一切行えません。 |
| 外国人材の現地就業 | 就業許可を申請できるのは、本人を直接雇用し、中国の営業許可証を保有し、当該職位が登記された経営範囲に含まれる法人だけです。労務派遣を中核的な外国人材の許可申請に用いることはできません。A・B・Cのポイント区分と、通知書、Zビザ、就業許可証、居留許可の手順については中国就業許可ガイドをご覧ください。 |
出典:労働関係の三要件は人力資源社会保障部「労働関係の確立に関する通知」、派遣の制限は同部第21回部務会議で採択され2013年3月1日に施行された「労務派遣暫定規定」。役務報酬の源泉徴収と総合所得への合算は国家税務総局。業務委託先の判断指標は北京市高級人民法院が2024年に示した指針。社会保険と住宅積立金の料率・算定基数・上下限は上海市および北京市の現行規定。最終確認:2026年9月。
3つのステップ。ただし最初のステップで話が終わることもあります。
実態の判定
業務範囲、稼働時間、報告ライン、使用する設備、専属性を、人力資源社会保障部の三要件と北京市高級人民法院の指標に照らして確認します。その方が貴社の規程と指揮に服し、かつ業務が貴社事業の構成部分であるなら、それは労働関係です。その場合は労務派遣または自社法人の設立へご案内します。
契約締結と登録
Anidayの中国パートナー法人が民法典に基づく役務契約を締結します。成果物、報酬、秘密保持、知的財産の帰属、データの取扱い、終了条項を一度に定めます。あわせて本人確認、税務情報、口座情報を取得し、初回請求の前に源泉徴収の設定を済ませます。
稼働・請求・支払い
委託先は貴社チームへ直接納品します。承認済みの請求は一通のAniday請求書に集約され、委託先は役務報酬の源泉徴収を経て人民元を受け取ります。証憑は年末の総合所得への合算にも耐える形で残ります。
| Contractor of Record | 労務派遣(劳务派遣) | 自社の中国法人 | |
|---|---|---|---|
| 契約当事者 | Anidayの中国パートナー法人が委託先と役務契約を締結 | 許認可を持つ派遣機関が雇用し、貴社へ派遣 | 貴社の中国法人が直接雇用 |
| 成立する関係 | 劳务关系(民法典) | 派遣機関との劳动关系(労働契約法) | 貴社との劳动关系 |
| 適する場面 | 実態として独立し、範囲が定まったプロジェクト業務 | 臨時的・補助的・代替的な職位、試験的なチーム、法人設立までのつなぎ | 中核的で恒常的な、規模のある事業 |
| 動かせない制約 | 三要件がすべては揃わない場合に限られます | 総人数の10%以内、臨時的職位は6か月以内、派遣機関は許可証と2年以上の労働契約が必要、駐在員事務所は直接雇用不可 | 設立、登記された経営範囲、日常の申告はすべて貴社の負担 |
| 社会保険と住宅積立金 | 真の労務関係では発生しません | 派遣機関が都市ごとの料率・基数で納付 | 貴社が都市ごとの料率・基数で納付 |
| 外国人材の就業許可 | できません | できません(中核的な外国人材の許可申請には使えません) | 可能(当該職位が登記された経営範囲に含まれる場合) |
実態が労働関係ではなく劳务关系であれば可能です。AnidayのContractor of Recordでは、Anidayの中国パートナー法人が契約当事者となり、役務報酬の源泉徴収を行い、証憑を保管しますので、貴社の中国法人は不要です。できないのは、実態として労働関係にあたる業務を同じ枠組みに載せることです。
書面の名称ではなく実態で分かれます。裁判所は人力資源社会保障部の「労働関係の確立に関する通知」の三要件を適用します。当事者双方が法的資格を備えていること、使用者の規程が労働者に適用され、労働者が使用者の指揮の下で報酬を得て労務を提供していること、そしてその労務が使用者の事業の構成部分であること。三つが同時に揃えば、契約書の名称がどうであれ労働関係です。
北京市高級人民法院が2024年に示した指針では、自らの技能で役務を提供し、事業リスクを自ら負い、従属的な地位になく、委託者の管理・支配を受けない者とされています。この指標に合致しない場合、契約の文言を書き直しても是正されません。
役務報酬(劳务报酬)は、20%の費用控除後、4,000元を超える部分に20%を源泉徴収します。少額の支払いについては800元を控除した残額に20%です。年末には総合所得へ合算して精算されます。給与所得は別の扱いで、累計方式による月次源泉徴収、税率は3%から45%、年間の基礎控除は60,000元です。
委託者側に、書面による労働契約、最低賃金と法定の休息・休日、社会保険と住宅積立金、法定の年次有給・出産・傷病休暇、法定の解除手続と経済補償、そして労災責任が発生します。社会保険の未納分には未納額の1〜3倍の制裁金と利息が科されます。実態の判定を最初に置いているのは、この負担を発生させないためです。
作れません。作れると言う相手は、労働関係と認定されるリスクを売っているだけです。フルタイムで指揮監督を受け、中核業務に従事するなら、それは労働関係です。法人を設けない合法的な道は許認可を持つ機関を通じた労務派遣のみで、総人数の10%以内、臨時的・補助的・代替的な職位に限られ、臨時的職位は6か月以内です。中核的で恒常的な事業であれば、答えは貴社自身の中国法人です。
Contractor of Recordでは対応できません。就業許可を申請できるのは、本人を直接雇用し、中国の営業許可証を保有し、当該職位が登記された経営範囲に含まれる法人だけです。労務派遣を中核的な外国人材の許可申請に用いることもできません。外国籍の方に中国で就業していただくには、実際に雇用する法人が必要です。
アジア各国での人材活用と労務管理をAnidayにお任せいただいている企業の実例をご紹介します。