ナイジェリアの個人事業主・フリーランスと直接契約すると、その関係が雇用とみなされないかの判断も、源泉徴収税の納付も、ナイラでの送金も貴社側の課題として残ります。Contractor of Record(COR:業務委託契約の名義・支払代行)では、Anidayのナイジェリア提携法人がその契約当事者になります。国家労働裁判所(NICN)が用いる判定基準に照らした労働者性の審査、法令に準拠した業務委託契約(contract for service)の締結、ナイジェリア国内の支払者に課される源泉徴収税(WHT)の控除と納付、納税者番号(TIN)と知的財産関連書類の取得、ナイラでの支払いまでをAnidayが引き受け、業務そのものは従来どおり貴社のチームが直接進めていただけます。ナイジェリア法人の設立も、従業員誤分類のリスクを貴社の帳簿に抱えることも必要ありません。ナイジェリアでフリーランスや個人事業主を起用したい日系企業の人事・法務ご担当者様には、日本語でご対応します。
その方が個人事業主にあたるのか従業員にあたるのか判断がつかない場合は、フルタイム雇用向けのナイジェリア雇用代行(EOR)との違いをご確認ください。どちらにあたるかは、ご契約の前に必ずお伝えします。
ナイジェリアの労働法(Labour Act, Cap L1, LFN 2004)は、雇用契約(contract of service)のもとで働く「労働者(worker)」を保護しています。本人が実際に労働者にあたるかは、国家労働裁判所がコモンローの指揮命令テスト(control test)に統合性、経済的実態、義務の相互性、専属性を加え、契約書の名称ではなく全体像から判断します。Contractor of Recordでは、この業務委託契約(contract for service)の当事者になるのは貴社ではなく、Anidayのナイジェリア提携法人です。労働者性の審査、正しい税率による源泉徴収税の控除と納付、ナイジェリア歳入庁(NRS)と州税務当局が求める記録の保管、労働者性についての責任は、いずれもAniday側で引き受けます。
向いているのは、独立性が実態として成り立つ業務です。プロジェクト単位の開発者、稼働日を限ったアドバイザー、フラクショナル(部分稼働)の役員職、自ら稼働時間を決めて他社にもサービスを提供するコンサルタントなどが該当します。逆に、フルタイムで指揮監督を受けて恒常的に同じ業務を担う役割は雇用にあたり、この場合はナイジェリア雇用代行(EOR)をご案内します。どちらにあたるかは、ご契約の前に必ずお伝えします。
なお、日本側の義務は貴社に残ります。国内の個人事業主・フリーランスへ発注する場合、2024年11月1日施行のフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)により、取引条件の書面等による明示と、成果物を受領した日から60日以内の報酬支払いが求められます。日本国内から報酬を支払う際は原則10.21%の源泉徴収が必要で、インボイス制度のもとでは適格請求書の有無が仕入税額控除に影響します。ナイジェリア法上の手続きはAnidayのナイジェリア提携法人が担いますが、これらは国内側の義務として別に整理しておく必要があります。
契約書の作成から毎月の支払い、税務書類の保管まで、Anidayのナイジェリア提携法人が名義人として引き受ける範囲です。
契約前に、指揮命令の有無、貴社の事業への統合の度合い、経済的従属性、義務の相互性、専属性を確認します。いずれも国家労働裁判所が総合的に考慮する要素です。労働者にあたるという結論になった場合は、その旨をそのままお伝えし、雇用代行(EOR)に切り替えます。
業務範囲、成果物、報酬、秘密保持、非専属性に加えて、書面による知的財産の譲渡条項を置きます。2022年著作権法では著作権が著作者に帰属し、第30条が譲渡を書面で行うよう求めているためです。
貴社へお送りする請求書はUSDまたはSGD建てで一通にまとめます。個人事業主への支払いは、合意したサイクルでNIP(国内即時振込)によりナイラで行います。ナイジェリア国内の取引となるため、外貨口座(ドミサイリアリー口座)、SWIFT送金、ナイジェリア中央銀行(CBN)向けの書類を本人が管理する必要はありません。
ナイジェリア国内の支払者には、2024年源泉徴収規則(Deduction of Tax at Source (Withholding) Regulations 2024)に基づき、居住者である個人に支払う専門・コンサルティング・技術・管理業務の報酬から5%(非居住者は10%)を控除する義務があります。提携法人が控除と納付を行い、本人の居住する州の税務当局へ納めたうえで税額控除証明(credit note)を発行するため、確定申告で税額控除に充てられます。
当社のCORで契約した個人事業主が後に労働者と認定された場合、給与源泉徴収(PAYE)の未納分、年金、労災保険基金(NSITF)と産業訓練基金(ITF)の拠出金、解雇予告と休暇の請求、国家労働裁判所の損害賠償への対応は、貴社ではなくAnidayが負います。手数料はこの引き受けに対する対価です。
稼働がフルタイムに近づいたら、当社のナイジェリアEORのもとで雇用契約に切り替えます。PAYE、年金、NSITF、国民住宅基金(NHF)、法定休暇まで引き継ぎ、担当窓口もプラットフォームも変わりません。
ナイジェリアでの業務委託が適法に成立するかどうかを分ける論点をまとめました。数値は2026年9月時点の現行規則で、出典は表の下に記載しています。
| 論点 | ナイジェリアでの取扱い |
|---|---|
| 労働者か個人事業主か | 労働法(Cap L1, LFN 2004)が対象とするのは、雇用契約(contract of service)のもとで働く「労働者」です。個人事業主を判定する法定基準はなく、国家労働裁判所がコモンローの指揮命令テストに統合性、経済的実態、義務の相互性、専属性を加えて総合的に判断します。長期にわたる専属的な契約で、定期的に固定額が支払われ、他のクライアントがいない場合は、契約書の記載にかかわらず雇用と判断される方向に傾きます。 |
| 業務委託の対象となる方 | 納税者番号(TIN)を持つナイジェリア居住者。TINは現在、中央で一元的に発行され、事業用銀行口座の開設や源泉徴収税の少額取引免除に必要です。外国籍の方には雇用主に紐づく就労許可(CERPAC)が必要なため、そのような役割には就労ビザを伴う雇用代行(EOR)が適切です。 |
| 所得課税 | 2025年ナイジェリア税法(Nigeria Tax Act 2025)が2026年1月1日に施行されました。居住者である個人は全世界所得に対し、最初の80万ナイラは0%、300万ナイラまで15%、1,200万ナイラまで18%、2,500万ナイラまで21%、5,000万ナイラまで23%、5,000万ナイラ超は25%の税率で課税され、家賃の20%(上限50万ナイラ)の家賃控除が適用されます。個人事業主は居住する州の内国歳入庁に直接査定(direct assessment)方式で申告します。居住者の判定は、12か月間に183日の滞在、恒久的な住居、または重要な結びつきの有無によります。 |
| 支払者の源泉徴収義務 | ナイジェリア国内の支払者は、2024年源泉徴収規則に基づき、専門・コンサルティング・技術・管理業務の報酬から居住者である個人には5%(非居住者には10%)の源泉徴収税(WHT)を控除し、個人事業主の居住する州の税務当局に納付します。小規模事業者は、取引額が200万ナイラ未満で相手方がTINを持つ場合、控除が免除されます。ナイジェリアに拠点のない海外の支払者には控除義務がありません。CORでは当社の提携法人が源泉徴収義務者となります。 |
| 付加価値税(VAT) | 標準税率は7.5%。登録は売上高基準で、2025年の税制改革法により小規模事業者はVATの請求を免除されるため、個人の個人事業主の多くはVATを請求しません。登録済みの個人事業主が当社のナイジェリア提携法人にサービスを提供する場合は7.5%を請求し、当社が仕入税額として回収します。輸出サービスはゼロ税率です。 |
| 社会保険 | 個人事業主に対する雇用主側の年金、NSITF、ITF、NHFの拠出はありません。自営業者は、年金委員会(PenCom)のマイクロ年金プランを通じて拠出型年金制度に任意で加入できるほか、国民健康保険庁(NHIA)にも任意で加入できます。 |
| 知的財産の帰属 | 2022年著作権法第28条:契約に別段の定めがない限り、著作権は著作者に帰属します。雇用主への帰属が認められるのは政府および国際機関での雇用に限られ、写真、肖像画、視聴覚著作物を委託した者が得るのは私的利用のライセンスであって所有権ではありません。第30条は譲渡と独占的ライセンスを書面で行うよう求めており、Anidayの契約書には権利を貴社に移転する譲渡条項を設けています。 |
| 請求書・証憑 | 未登録者に定められた様式はなく、VAT登録済みの個人事業主はTINを記載した税務インボイスを発行します。ナイジェリア歳入庁の全国電子インボイスプラットフォーム(Merchant Buyer Solution)は、2026年7月31日に売上高50億ナイラ以上の大規模納税者に義務化され、中小規模の納税者は後続の段階で対象となります。CORでは個人事業主が当社のナイジェリア提携法人にナイラ建てで請求し、電子インボイスの義務が及んだ時点で当社がその対応を行います。 |
| 通貨と送金方法 | ナイラはCBNの管理下で変動し、外貨へのアクセスは規制されています。海外からの直接送金はSWIFTで個人事業主の外貨口座(ドミサイリアリー口座)に届くか、Payoneer、Wise、Greyを経由します。PayPalでの受け取りは制限されています。CORでは当社の提携法人からNIP振込によりナイラで個人事業主に支払い、貴社はAnidayにUSDまたはSGD建ての請求書一通を支払います。 |
| 個人情報保護 | 2023年ナイジェリア個人データ保護法(NDPA)をナイジェリア個人データ保護委員会(NDPC)が執行しています。適法な根拠、目的の限定、データ主体の権利、漏えい通知、重要データ管理者の登録を定めています。Anidayの提携法人が収集する個人事業主のデータについては、同法人が管理者となります。 |
| 誤分類が認定された場合 | 従業員と再認定されると、発注者はPAYEの未納分、年金(2014年年金改革法)、NSITFとITFの拠出金、労働法上の解雇予告と休暇の権利、国家労働裁判所の損害賠償を負うことになります。さらに外国企業の場合、恒久的施設(PE)と認定されるリスクもあります。2025年ナイジェリア税法第17条はPEの範囲をサービスの提供に基づく拠点にまで広げており、個人事業主が常態として自社に代わって契約を締結している場合の租税条約上の「従属代理人」基準にも加わります。 |
出典:2025年ナイジェリア税法および2025年ナイジェリア税務行政法の税率区分、VAT、PE、電子インボイスの規則はナイジェリア歳入庁(NRS、旧FIRS)、2024年源泉徴収規則は連邦財務省、外国為替と外貨口座の規則はナイジェリア中央銀行(CBN)、2022年著作権法はナイジェリア著作権委員会、マイクロ年金プランは年金委員会(PenCom)、2023年個人データ保護法はナイジェリア個人データ保護委員会(NDPC)、源泉徴収税率はPwC Tax Summariesで照合。最終確認:2026年9月。
起用したい方が決まってからの流れは3ステップです。労働者性の審査と契約締結、書類の整備、そして毎月の請求と支払いまでをAnidayが引き受けます。
NICN基準の判定と契約締結
業務範囲、稼働時間、指揮監督の有無、専属性、経済的従属性をNICNの判定基準に照らし、CORで契約できる案件かどうかを見極めます。問題がなければ、成果物、報酬、秘密保持、書面による知的財産の譲渡、データの取扱い、解約条件を定めた業務委託契約を、Anidayのナイジェリア提携法人と個人事業主の間で締結します。
本人確認と書類の整備
国民識別番号(NIN)と銀行認証番号(BVN)による本人確認、TIN、VATの登録状況、銀行口座情報を確認します。貴社の監査法人にそのまま提出できる形で一式を保管します。
請求・支払いと源泉徴収
個人事業主は貴社のチームと直接業務を進め、承認済みの請求書またはタイムシートは貴社宛ての請求書一通にまとめてAnidayからお送りします。報酬は合意したサイクルでナイラにより支払い、源泉徴収税を納付して税額控除証明を発行したうえで、支払記録を税務当局向けと貴社向けの双方に保管します。
| Contractor of Record | 雇用代行(EOR) | 業務委託管理ツール | |
|---|---|---|---|
| 契約当事者 | Anidayのナイジェリア提携法人が個人事業主と契約 | Anidayのナイジェリア提携法人が本人を雇用 | 貴社が海外から直接契約。ツールは書類と支払いの処理のみ |
| 想定される使い方 | プロジェクト業務、パートタイムの専門家、アドバイザー、フラクショナルの役員職 | フルタイムで指揮監督下にある継続的な役割 | すでに顧問弁護士や現地法人があり、労働者性のリスクを自社で引き受けられる場合 |
| 労働者性リスクの所在 | Anidayが審査し、責任もAnidayが負担 | なし(本人は従業員) | 貴社に残る |
| 源泉徴収・PAYE・年金 | 提携法人が5%の源泉徴収税を控除・納付。PAYEと年金の負担なし | PAYE、年金、NSITF、ITF、NHF、法定休暇に対応 | 源泉徴収なし(海外の支払者のため)。為替、VAT、直接査定は本人が独力で処理 |
| 雇用への移行 | 個人事業主からEORの従業員へ数日で移行 | — | 手作業 |
はい。外国企業がナイジェリア居住者と直接契約すること自体は可能で、支払者にナイジェリアの拠点がないため源泉徴収も生じません。ただしドル建ての受け取り、VAT、直接査定はすべて本人が独力で処理することになり、労働者性、知的財産、そして2025年ナイジェリア税法で範囲が広がった恒久的施設(PE)のリスクは貴社に残ります。AnidayのContractor of Recordでは、Anidayのナイジェリア提携法人が契約当事者兼源泉徴収義務者となるため、貴社が現地法人を設立する必要はなく、法令遵守の責任は現地企業であるAnidayが担います。
支払者がナイジェリアの法人であるため、Anidayのナイジェリア提携法人が控除して納付します。居住者である個人に支払う専門・コンサルティング・技術・管理業務の報酬には、2024年源泉徴収規則により5%(非居住者は10%)の源泉徴収税が課されます。控除した税額は本人の居住する州の税務当局に納付し、税額控除証明を発行するため、直接査定による申告で税額控除に充てられます。追加の負担にはなりません。
2026年1月1日以降、個人は課税所得のうち最初の80万ナイラに0%、その後は5,000万ナイラまで15%、18%、21%、23%の区分で、5,000万ナイラ超には25%の税率で納税します。これに先立ち、家賃の20%(上限50万ナイラ)の家賃控除が適用されます。個人事業主は居住する州の内国歳入庁に直接査定方式で申告し、当社が発行する源泉徴収税の税額控除証明を控除します。居住者は全世界所得に課税されるため、クライアントが国内企業でも外国企業でも規則は同じです。
書面による譲渡がなければ、個人事業主のものです。2022年著作権法第28条は、契約に別段の定めがない限り著作権を著作者に帰属させており、写真、肖像画、視聴覚著作物を委託しても、委託者が得るのは私的利用のライセンスにすぎません。第30条は譲渡と独占的ライセンスを書面で行うよう求めています。Anidayの業務委託契約には、この譲渡条項と個人事業主が既に保有する素材に関するライセンスを盛り込んでおり、最初の成果物が納品される前に権利の帰属を確定させています。
当社のCORでは、契約当事者であるAnidayのナイジェリア提携法人が負います。労働者と認定されると、PAYEの未納分、2014年年金改革法に基づく年金拠出金、NSITFとITFの賦課金、労働法上の解雇予告と休暇の権利、国家労働裁判所での損害賠償が生じます。外国企業の場合は、範囲が広がった2025年ナイジェリア税法第17条のもとでナイジェリアに恒久的施設を有すると認定されるおそれも加わります。そもそもこうした契約形態にならないよう、労働者性の事前審査を設計しています。
通常は不要です。VATの税率は7.5%ですが、登録は売上高基準で、2025年の税制改革法により小規模事業者はVATの請求を免除されているため、個人で活動する方の多くはVATなしで請求します。登録済みの方はAnidayのナイジェリア提携法人に7.5%を請求し、Anidayが仕入税額として回収します。全国電子インボイスプラットフォームは2026年7月に大規模納税者(売上高50億ナイラ以上)へ義務化され、それより小規模な納税者は後続の段階で対象になります。義務が及んだ時点で、請求書の形式はAnidayが対応します。
Anidayのナイジェリア提携法人からNIP振込により、5%の源泉徴収税を控除したナイラ建てで、契約に定めたサイクルでお支払いします。月次が標準で、プロジェクト業務ではマイルストーンごとの支払いも一般的です。貴社にお支払いいただくのは、USDまたはSGD建てのAniday請求書一通のみで、外貨口座や外貨アクセスの制約に本人が直面することもありません。NIN、TIN、銀行口座情報が揃っていれば、労働者性の審査から契約締結まで通常3〜7営業日です。
ナイジェリアでの人材活用と労務管理をAnidayにお任せいただいている企業の実例をご紹介します。